第63回八王子市民大会・6年生決勝戦レポート
大和田SC 4 (3-0) 0 宇津木SC
(1-0)
63回目を迎えた今年の市民大会決勝戦は、大和田SCと宇津木SCの顔合わせとなった。両チームとも立ち上がりは緊張の色がみえたが、選手の気迫が観客席まで伝わってくるほどの好試合が展開された。
両チームのフォーメーションは、大和田SCが4-5-1であるのに対し、宇津木SCは4-4-2のシステムであった。試合序盤は緊張のせいか、両チームともボールが足につかず、パスミスやシュートミスが目立ち、リズムが取れない中で試合が進んだ。そんな中、徐々に大和田がペースをつかむ。中盤の2番と6番を中心とし、ショートパスからサイドへの展開が多くみられるようになった。前半3分、相手選手のハンドにより大和田がペナルティエリアの外、5mからのフリーキックを得る。そして36番から放たれたボールは、きれいな曲線を描き宇津木ゴールキーパーの頭上を抜け、先制ゴールが決まった。
その後も試合は大和田ペースで流れるが、宇津木も自陣のゴール前の分厚い守備でしのぎ、カウンター攻撃を狙う。しかし大和田からボールを奪うものの、FWへの縦パスが不安定な為、FWが孤立する場面が多くみられた。一方、大和田も攻めの時間は長いのだが、フィニッシュにまでたどりつけないケースが目立った。その中で宇津木が中盤から押しあげ、コーナーキックのチャンスを作る。そのコーナーキックに宇津木3番が頭をタイミング良く合わせるが、惜しくも大和田GKの好セーブに阻まれてしまう。
前半11分、大和田が宇津木のボールを中盤で奪い、そこからの早い攻撃で6番から右サイドの22番へスルーパスが通る。その22番からのアーリークロスにゴール前でフリーとなった40番が反応し、落ち着いて2点目を押し込んだ。その直後の12分、大和田36番が左サイドを突破し、宇津木DF3人をかわしてGKと1対1になるが、シュートは惜しくも左に外れてしまった。前半15分、大和田は宇津木のボールを奪って前線までつなぎ、大和田6番がペナルティエリア付近からシュートを放つが、宇津木GKの正面であった。
宇津木も3番を攻撃の軸に前線へパスを配給するが、大和田DFのアプローチが早く、なかなか味方FWに届かない。そして前半17分、中盤での競り合いから大和田がフリーキックを得る。ハーフウェイライン付近から蹴られたボールは、宇津木DFとGKの間にポトリと落ち、そこに2列目から走りこんだ36番が合わせ3点目をあげた。前半の終盤、宇津木の3番がペナルティエリア付近までドリブルで切り込み、DF3人に囲まれながらもシュートを放つが、ゴールにはいたらなかった。そしてここで前半終了のホイッスルが鳴った。
後半も、序盤から大和田が試合を支配した。宇津木も前線へ押し上げようとするが、なかなか第一歩が踏み出せない。後半3分、大和田の2番が中盤で相手ボールをインターセプトし、ドリブルで切り込みミドルシュートを放つがGK正面に終わる。続いて後半4分、宇津木のボールを大和田の2番が奪い、ハーフウェイライン付近からペナルティエリアまで相手DF2人をかわし、そのままシュート。これがループシュートとなり、試合を決める鮮やかな4点目となった。
しかし、宇津木もあきらめることなく反撃をみせる。後半6分、中盤で大和田のボールをパスカットし、ハーフウェイライン付近から19番が大和田DFラインの間にスルーパス。そのボールに走りこんだ31番が、DF2人を背負いながらもゴール前に折り返す。そこに走りこんだ27番がボールに合わせるが、惜しくもシュートはゴール左へ外れた。さらにその直後の後半7分、大和田GKから蹴られたゴールキックを宇津木が奪い、3番が大和田ゴール前で倒されてフリーキックを得る。大和田ペナルティエリアの外10mから、宇津木19番が直接ゴールを狙うが、惜しくもクロスバーを越えてしまった。
後半10分、大和田6番が右サイドを駆け上がり突破を図る。ゴールライン近くからゴール前へ折り返すも、宇津木DFに跳ね返される。宇津木もセットプレーからチャンスを作り、後半15分、19分と絶妙なクロスボールからシュートを放つが惜しくもゴールに嫌われてしまう。終盤には大和田のDF12番が、宇津木ゴール前までドリブルで持ち込みシュートを放つがゴール横に外れる。ここで終了のホイッスルが吹かれ、この瞬間に大和田SCの優勝が決まった。
技術委員会からのコメント
試合を振り返ると、中盤でゲームを作りサイド攻撃からチャンスを作る大和田に対し宇津木は奪ったボールを前線に早く預け、そこから突破を図る、とゆう印象を受けた。両チームとも、中盤でのボールの奪い合いや攻守の切り替えには目を見張るものがあった。大和田はセットプレー、サイド攻撃等から得点を重ねた。また中盤でのディフェンスでは終始足が止まらず、優勝チームに相応しいチームであった。一方、宇津木はセットプレーからのチャンスが多く、特にヘディングでの競り合いは非常に良かったが、決定力に課題が残った。
点差は開いてしまったが、両チームの特徴が良く出た決勝戦であった。この決勝戦の舞台で、最後まで戦った両チームの選手達に大きな拍手を送りたいと思うが、ジュニアユース年代でのさらなる飛躍を期待し、2つだけアドバイスを送りたい。
1. ボールを受ける前に周囲を観て判断する習慣をつけよう!
大和田の勝因の一つは、ピッチ全面で守備のアプローチが速く、プレッシャーが効いたことである。宇津木も決勝戦まで勝ちあがってきたチームなので、個々の選手の技術レベルは高かった。しかし、レベルが高くなればなるほど、相手の守備のプレッシャーは厳しくなる。そのプレッシャーを受けながらもボールを失わないためには、ボールを受ける前に周りの状況を観て判断する習慣をつけなくてはならない。そのことによって、判断がより早くできるようになる。(判断のスピードアップ)
2. ファーストタッチに意図を持とう!
ジュニアの最終学年となると、蹴る(キック)、止める(トラップ)、運ぶ(ドリブルやランウィズザボール)といった、ボールコントロールの基本的な技術は身に付いている者が多くなる。ジュニアユースでは、さらに身体能力が高くなってくるのでスピードがワンランクアップする。そこでは、「ボールを止めてから前にころがしキックする」とか、「ボールを止めてからドリブルを始める」というプレーは通用しなくなる。足元に止めるのは相手が近くにいる時だけで、「ファーストタッチでボールを前に転がしツータッチ目にキックする」とか、「ファーストタッチでドリブルに入る」といったプレーへと発展させていってほしい。(プレーのスピードアップ)
ジュニアでサッカーができる時間もあとわずか。こうしたことを意識して練習を積み重ね、判断とプレーのスピードを向上させてジュニアユースへと進んでほしい。数年後に成長し、ジュニアユースやユースで活躍する皆さんの姿を見られることを期待している。

